LUNARiA プレイ後感想 ネタバレ有

ネタバレたくさんなのでゲームプレイした方向け

f:id:kokorokey:20211227020151j:plain

01 SKYOUT FOREVER

いきなりレースから始まりましたが
レースは本作のキーとなる要素だということなので
これがどう本作の物語と絡んでくるのか楽しみですね。

 

ビットくんのライバルキャラのミャウもここで初登場。
お嬢様っぽいキャラ付けが佐々美様っぽくて僕は好きですねぇ。

 

ビットくんは太陽フレアの影響でルナーワールドに入ってしまい
そこでQに出会うことになります。
QはボツになったAIということで
対人コミュニケーションがおかしいところがあったとしても
「まあボツになったAIだし……」と思っていましたが
まさか本物の人間だとは……

この時はAIであることを一切疑っていませんでした。

 

確かにHarmonia等の作品もそうですが
機械と見せかけて人間
人間と見せかけて機械
というのはよくある展開ではあるのですが
まさかまた今作もそのネタを使ってくるとは思っていなかったので
逆に裏をかかれた形になりました。

 

やたら距離感が近く密着することに一切の抵抗がないQ
母親以外の人間と話したことが無いとこうなってしまうんでしょうかね。


Qにとっては初めて地球の人とコミュニケーションが取れたのですが
ここですぐに自分の救助を求めないのは
それだけもう助かることを諦めていたということなのでしょうかね。

 

Qのこの肩出しへそチラ衣装もQの母親が考えたかと思うと涙が止まらなくなりますね。
もしくは、母親はQが小さい頃に亡くなったことを考えると
成長したQのVRモデルは希優自身で作ったのでしょうかね?

 

自身のAIとしての性能を説明するQの様子も全部知った後に見ると
複雑な気持ちです。

 

 

02 GOOD FELLOWS

ガヤが初登場。
Key初の男の娘かつ女体化男子?ですね。
ガヤはかなり良いキャラしてますよね。
この物語はほぼビットくん、Q、ガヤ、ミャウの4人しか登場しないという事もあって
ガヤ抜きでは絶対に成立しないですし
物語の貢献度も凄まじいです。

 

セレーネでは怒涛の伏線の嵐ですね。
月面のロボット、無事故や海に落ちてきた謎の物体などなど
如何にも物語の核心に関わってきそうな要素てんこ盛りです。

 

2回目のレースではQを乗せてレースに参加することに。
ルナーワールドにアクセスするだけで通信環境が良くなるのとても羨ましいですね。
ミャウとの会話の中で6年前ビットくんに負けてから
6年間ずっとビットくんを想い続けてきたことが明かされます。
ミャウちゃん推せますね……!
ミャウからするとぽっと出のQに奪われるというのは何とも納得がいかないのでしょう。まあ最終的に全世界に中継された状態でキスしてる様子を見せつけられるわけですが……。
ミャウお嬢様……不憫な子……。

 

 

03 VIRTUAL REALITY

一匹狼で誰とも組もうとしないビットくんがQに心を開く過程がとても良いですね。
この辺りからこのゲームが本格的に
「恋愛ゲーム」であることを痛感してきました。

 

Keyの作品って美少女恋愛ゲームというジャンルが主だと思うのですが
まともに恋愛をしてるシナリオってほとんど無いと思うので……。
そういう意味ではこのルナリアはかなり真っ当に恋愛してるので
月と地球を繋ぐラブストーリーのキャッチコピーに偽りなしですね。

 

Qがらびっちゅの身体で地球を満喫するシーンも
プレイ当時はAIだから色々新鮮なんだろうなぁと思っていましたが
全部を知った後だとまた味わい深いですね。

 

教室でクラスメートに人気があるらびっちゅのシーン結構好きです。
クレープを食べるシーンもただの日常シーンに見えて
終盤の感動への布石になっているのが良いですねぇ

 

 

04 JEALOUSY RABBIT

ビットくんのガレージにセキュリティホールが出来て
そこからQが現れるシーン
これも布石の1つですかね。

 

インタビューのシーンでは
Qがある1人のエンジニアLUNAR-Mによって作られたことが明らかになります。
プレイ当時、何となく違和感を感じました。
普通こういうのって複数人で作るものだと思うので。
でも、そうではなくエンジニア一人によって作られたというのが
Qの制作には特別な裏事情があることを匂わせていますね。

 

ビットくんとQで月面のカメラを見るシーン
明らかにボロボロな施設と何もない月面の映像が出てきます。
この段階だと何となく不穏な感じがするだけで
まさかあんな真実があったとは全然予想が出来ていませんでした。

 

そして、ルナーワールドで二人は
鼻をくっつけるキスをします。
このシーンなかなか印象的でした。
AIと人間がVRで出会っているからこそのシーンなんですよね。
そういう普通の世界観では描けない
こういう作品独特の描写というのが良いですね。

 

 

05 WORLD TOUR

何か嫌な予感がする状態でワールドツアーが開催されますが
案の定太陽フレアによりレースは中断。
再開されたレースもQが落下してレースは降参することになってしまいます。

 

Qがルナーワールドが破棄されること
そして、自身も消去されることを語ります。

 

セレーネ社はルナーワールドの存在を認識していないですし
ルナーワールド自身が修復が困難だと判断し
まるごと破棄することになったということですよね?

 

そして、QはVRアバターとしてのQを失うことにはなりますが
希優自身は直接消えるわけではない。
でも、ルナーワールドが消えて地球との通信手段が途絶え
施設そのものの機能が維持できなくなると
それは希優自身の生命の終わりを意味するんですよね。
だから、ルナーワールドの死は実質希優自身の死とほぼイコールなんですよね。

 

この件もそうですがQは知っていることを
ビットくんに伝えないですよね。
OP2のプリズムのお姫様の歌詞にあるように「優しい嘘」なんでしょうか。

 

 

06 NEW ROMANCER

ビットくんはQのためにセレーネ社に突撃しますが

当然セレーネ社はルナーワールドのことなどを知らないですし門前払いでした。

そして、ここでミャウの本体であるイリヤに出会います。

ビットくんは気付いていませんが

イリヤがミャウであること

イリヤがセレーネ社CEOの娘であることは

プレイヤーには丸わかりですね。

イリヤちゃん可愛いですねぇ。

 

そして、イリヤのゲーミングカーは

ソラーパネルによる発電により

数日はCOZMOに浸れるだけの性能があることがわかります。

これも布石の1つですね。

 

そして、ビットくんは残された時間で何が出来るかを考え

Qのリアルの器であるレンタロイドを用意します。

この外見はQが自分で要求したんですよね。

希優自身とそっくりになるようにオーダーしたので

このレンタロイドと希優本人が瓜二つなのも当然。

 

そして、希優はついに念願の人間の身体で

地球に降り立つことが可能になったという事ですね。

この辺りのシーンも全部わかってから読むと

なかなか感慨深いです。

 

夜、ゲームの後にQと本当のキスをした時、

くちびるが触れ合うだけのキスから、より深い結合をすることで

ビットくんは崩壊した施設と

謎の少女が眠っている様子を見ることになります。

これがまさに希優本人であり、

QがAIではなく人間であることの伏線をハッキリと示した形になりますね。

 

 

07 RE-CONNECT

らびっちゅの表示からルナーワールドがまだ残っている可能性を信じるシーン。
今作、Qは消えてしまったと思ったら無事だったという展開
この後も何度もありますよね。

 

ビットくんがビルに突っ込むシーンで
ミャウが助けてくれると思ったら
しっかり助けに来てくれて良かったです。
普段は一緒にはいないんですけど、こういう大事なポイントで
しっかり助けに来てくれるのは評価上がりますね。

 

ミャウもガヤの二人も辛いはずなのにQが消えてしまったことを
ビットくんにわかってもらおうとするシーン良いですよねぇ。
この二人のおかげでガレージのセキュリティホールから
ルナーワールドへ行けるとわかるシーンは過去の伏線が
しっかりと活きていて良いですねぇ。

 

ビットくんはウルフギアに乗ってルナーワールドへ。
こういう大事なシーンでウルフギアが出てくると
ビットくんのレーサーという設定がしっかり活きていて良いですよね。

 

ビットくんは一人で崩壊したルナーワールドへ。
当然ミャウとガヤも後から追いかけてきてくれます。
こういう友情を感じられるシーン良いですよね。
基本は主人公とヒロインの物語なのですが、
ミャウとガヤがいないとこの物語は成立しないですし、
この二人との友情も今作ではしっかり描いているのがとても好きです。

 

パスワードがT・BITなのは予定調和ですね。

 

そして、今作一番衝撃的なシーン
Qのログが16年前からつけられていることが分かります。
これを見た時に、Qが実は生身の人間であることを予想することは難しくないと思うのですが、

私的にはかなり動揺が大きかったです。
AIとの恋愛を描くのがルナリアのテーマだと思っていたので
その根底が覆った感じがしてショックでした。
「人間とAIは違うけど、恋する気持ちは同じで対等に恋愛できる」
という物語だとばかり思っていたので。
そういう新しい恋愛観みたいなのを語る物語なのかと。

 

ルナリアの公式サイトを見ても
「月と地球の恋物語」とは書いても
「人間とAIの恋物語」とは書かれていないので
私がテーマを勘違いしていただけなのですが……。

 

でも、確かに、AIの場合は実体が無いので
月と地球の距離なんてあってないようなものなので、
「月と地球」で遠い距離の恋物語を演出するには不向きであり、
人間の女の子で実態がある方が
「月と地球」で遠い距離で会いたくても会えない距離であるというのを演出するのに向いているんですよね。

 

それに、お話的にも
AIの女の子を月のサーバーからコピーして地球に移すよりも
月にいる女の子を救い出して地球に帰還させる方が盛り上がりますし……。
個人的にはかなり衝撃が大きくて人間の女の子であったことを受け入れるのはかなり時間がかかりました。

 

母親の美優が事故により一人で月に取り残され、
一人で出産、育児まで行い
娘と二人孤独に生きてきた……という壮絶な物語が明かされ
その圧倒的スケールの大きさにもかなり衝撃を受けて
これも受け容れるのにかなり時間がかかりました。

 

希優はKey作品不幸女の子ランキングでも
トップ争いできるくらい不幸な身の上ですよね……。

 

そして、今なお生命維持装置の中で眠る希優の姿……。
これでようやくこの物語の最終目標が明らかになりましたね。
いままでKey作品ではたくさんの困難な問題がありましたが
月で眠る女の子を救い出せというのはなかなか困難の度合いが大きくて
どうやって救い出すんだろうとわくわくしました。

 

希優の姿があの日のアンドロイドと同じなのも
Q自身があの姿をオーダーしたからという当然の理由が付いてるのも良いですね。

 

ここでビットくんが無神経にパフェを食べていたりしたことが
如何に希優にとって残酷だったのかを理解するシーンは
なかなか胸が打たれましたね。
こういうところで主人公にボイスがある恩恵が受けられていると思います。

 

 

08 UNDERGROUND

全てを投げ捨ててでも希優を救おうとするビットくん
最初の時からは全然想像が出来ないくらい変わりましたよねぇ。

 

冷静なガヤのおかげか
希優を救い出す現実的な方法を探しているのが良いですね。
奇跡とか偶然とかに頼るのではなく
自分たちの力で頑張っている感じが良いです。

 

キーパーソン中河長征は
希優の母親の美優の同僚で親しい間柄だったということで、
希優の父親なんでしょうねぇ……。
中河長征は美優の死にいついて不信を抱き色々調べていたようですが
父親は娘がいるというのを知っているんでしょうかね。

 

中河長征から施設のマップを貰い
バレバレの謎の人物アノニマスからセキュリティキーを貰います。
ここでもやっぱりミャウの存在の重要さを感じますね。

 

 

09 VIRTUALIZED MOONCHILD

ガヤとビットくん二人で協力して
Qを救い出す作戦「ルナーライズ」を実行することに。
ガヤが楽しそうなのが良いですよね。
計画の成功を疑っていないのが良いです。

 

ガヤが空けた穴にビットくんが突っ込み
数々の攻撃を避けながらセキュリティを解除することに成功します。

月面をバーチャライズすることで
主人公の土俵でQを救い出すというのが
なかなかよくできているというか
主人公の設定と物語上の要素が上手く合致していて良いと思います。
これまでの物語で描いてきたのが最終局面で活きているのが良いですね。

 

Qのところまで辿り着き、脱出の手立ても整ったところで
ここで唐突に大停電。
都合が悪い(物語的には良い?)所で邪魔が入りますね。

 

これは流石に詰んだかと思いました。
今までのお話は全て潤沢な電気ありきだったので
それを絶たれるとビットくんはただの地球にいる高校生でしかなくて
月にいるQのところへは行けないわけですから。

 

でも、イリヤが載っていた巨大なゲーミングカーのことを思い出し
イリヤと協力することでこの状況を打開します。
ここで3人揃って3人でQを救い出すというのが堪らないですね。
物語の盛り上がり的にも最高潮でした。

 

Qをウルフギアに乗せついに物語は最終局面へ。
先ほども書きましたが、
ここでビットくんが一流のレーサーだという設定がしっかりと活きていて
Qがそんなビットくんのレースをずっと見ていたからこそナビが出来て
このQ-BITの二人だからこそこの絶望を乗り越えられるというのが良いですね。
今作のレーサー設定は全てこの時の為だったと言っても過言ではないと思います。
ドリームフライトで羽根まで生えてやりたい放題です。

 

そして、Qは脱出ポットに乗り……
これでハッピーエンドで物語は終わり……
だと思っていたんですが
地球の帰還軌道から外れてしまい、事態は急展開。
絶望的な状況からここまで頑張ってようやくあと一歩のところまで来たのに
まさかのバッドエンドかと思って暗い気持ちになりました……。
このままスタッフロールかと思いきや
これで終わらず最終章があるようで安心しました。

 

 

10 LAST RUN

ビットくんは打ちひしがれ、
残されたらびっちゅを起動させますが、
これがまさか最後のピースになるとは思いませんでした。

 

相次ぐ延期だったワールドツアーが再開
やはりあのまま途中にするわけにもいかないですからね
一度始めてしまったのを最後まで綺麗に畳んでこそ美しい終わりなので。

 

Qはいないけどボイスメッセージを頼りにすることで
Qの姿が透明になって見えるシーンはなかなか心に来ましたね。

 

ミャウと最後のかけあいをするのもとても良かったです。
そしてガヤが駆け寄り、まさかの事実をビットくんに伝えてくれるのですが……。

地球の帰還軌道から外れたというのは
ようするに地球の位置がわからなくて自力で帰還ができなくなってということであり
らびっちゅを利用して地球の場所がわかることで地力で帰還できるようになるとは思っていなかったので驚きました。

 

流石にあのまま宇宙の塵になって終わりは後味が悪すぎたので
個人的にこのラストはアリでした。

 

 

総括

ルナリアの月と地球のラブストーリーというテーマがしっかり描けていてとても良かったと思いました。

ビットくんはカッコいいし

Qはかわいいし

ガヤは頼りになる親友枠だし

ミャウはツンデレ系かわいいお嬢様だし

それぞれの人物の役割がハッキリしていてとても魅力的でした。

 

BGMも良曲揃いで特に疾走感溢れる「SKYOUT FOREVER」がお気に入りです。

 

プレイ時間約8時間の間に

物語の地盤構築と

人物の掘り下げと

感動する展開が

しっかり描けていて

このボリュームでこのクオリティの作品を

定期的に出してくれるのはとても嬉しいですね